Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate

Aozora Bunko

と、政子は、彼のにえきらない口吻をやや蔑むように、

「もうあれ以来、半年もこえているのに、まだいろいろなご準備ができないのですか」

「婚儀には何の支度もいらぬが、それを挙げるには、同時に、大きな覚悟が要る」

「分りきっている事です。それはこれから先に持つ覚悟ではなく、始めからの事ではありませんでしたか。……わたくしと、貴方とが、結ばれる始めからの」

「元よりわしとても、その肚はすえている」

「それを、今となってまで、これ以上、何を惧れ憚っていらっしゃいますか。あれもこれもと、気ばかり遣うていたら、起つ日は参りますまい。――一念はきっと通るという事を、わたくしは去年の暮、山之木郷から逃げのびた時、身をもって悟りました。そしてここまで事は進んで来ました。後は、貴方のご決心ひとつです。――それとも、何かまだお迷いになっていらっしゃるのでございますか」

「迷いはないが、機を計らねばならぬ。生涯のわかれ目――二人の恋とだけは考えおらぬ。――それは天下の大事、男の胸にあることだ」

「でも……機はもう熟しているではございませぬか。父の時政も、初めは、わたくし達の大望には、所詮、与してくれない人と諦めて父へも叛く気でおりましたが、今日となってみれば、その父こそ、誰よりも二人を理解してくれた大きな力でありました。