Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate

Aozora Bunko

「油断のならない舅だ」

と、頼朝は、彼の遠謀に心では将来を惧れたが、この舅を帷幕に持って、大事へ臨むとすれば、甚だ心強くもあった。

「北条どのがそうご承諾なれば、幸い、自分が参っているうちに、二人の目出度い姿を見て都へもどりたいが」

と、行家が重ねていうと、

「それはよい。ぜひ近日にも」

と、宗時も同意した。

にわかに話は纏まった。いずれ山木家へ知れるにしても、大びらでない方がよい。彼の意気地をこっちから煽動してはまずい。――それに表向きまだ勘当の息女、配所の流人、どこまでも質素がよい。こっそりと挙げるがよい。

時政の忠告どおりな挙式が、それから十日ほど後に、配所の一室で、華燭というよりは、しめやかに挙げられた。

伊豆山の尼院から密かに移って来た政子も至って粗服であった。花聟の頼朝も何の色彩もない姿である。――が、むしろ精彩のないところに清麗があった。配所の寒燈がかえって神々しかった。

時政も密かに列していた。政子の兄妹たちも見えていた。粒々辛苦、長らく仕えて来た配所の家人たちは、ふたりの姿を見て欣し涙を抑えきれなかった。その夜はまた廂に霧の降る音が忍びやかに洩れ、なおさら、去年の時雨の夜が思い出された。