Classici giapponesi con furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate
もちろん馬は勢いよく前へのめり込み、鞍上の武将は、石ころの上へもんどり打った。
「得たりっ」
と、頼朝が、その上へ、一撃加えようとすると、彼の郎党は、
「佐殿っ、助けて下さいっ。――それも私の主人ですっ」
と叫びながら、頼朝の体を突き飛ばし――そしてすぐ頼朝を扶け起して、遮二無二、椙山谷の方へ向って逃げ出した。
「誰だっ?」
「後で。後でいいます」
「敵か」
「敵ではありません」
「味方か」
「お味方でもありません」
「では。……何者だ」
「迷っている人間です。――たった今までは、大庭三郎景親様の家人でしたが」
「あっ、飯田五郎か」
「そうです」
「五郎か」
「……そうです」
足を止めて、頼朝は、自分の体を扶けている男の顔を見た。たった一度、大庭景親の兄景義に伴われて、配所に来たことがある。また志を共にする若人の会合でも顔を一、二度見たことがある。あれは臭い、怪しい男だと、人々が注意したので、景義もそれきり伴れて来なくなった男であった。
二
「前々から、心ではお慕い申しておりましたが、主人や妻子を捨ててまで、御旗の下へ奔る気にもなれず、きょうの戦いにも、平家方の陣におりましたが、深く考えてみると、折角のお旗挙げが、ここで挫折したら、腐ったままの世の中が、まだ十年も二十年も続いてゆきましょう。