Classici giapponesi con furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate
二
今の社会とはどんなふうに渦まき動いているのか、自分を又なく愛してくれる六条の頭殿の一族と、六波羅の清盛の一門とが、どう対立し、どう葛藤し、どういう危険な状態にあったのかすら、戦の日が来るまでよく分らなかった程である。
女の二十三。
早くも七ツを頭に三人の子を持って、彼女は、育児の事と、頭殿の愛から見離されないように――念じるの余りに勤める朝夕の化粧としか、常日頃から思いもなく暮して来た。それが精いっぱいの毎日であった。
今日となって、今のわが身を顧みると、悲命な姿にはちがいないが、でも、もし自分が、幼時の貧しい辛い生活も知らない深窓の生れであったら、疾うにゆうべも、おとといの夜も、路頭に凍え死んでいるか、身を投げてでもいるであろうと思われるのだった。
いやその前に、この三児を、六波羅の手へ渡して助かる気になろうも知れぬ――と、常磐は顧みて思うごとに、貧賤であった女童の時代にむしろ今では大きな有難さを知るのであった。
二
常磐が、暇を告げると、白拍子の姉妹は、傷ましそうに、
「では、お気をつけて」
と、止めなかった。
昼の人目を怖れている容子で、およその身の上は察しられていたからである。