Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate

Aozora Bunko

「な、なんだっ、千にも足らぬ小勢を引いて――。伊豆に敗れ、辛くも安房にのがれて、ようやく千葉が組したので、形ばかりの軍勢となったまでの佐殿ではないか。――ちと、慢じているっ。さ、さっ、広常殿、戻りましょう」

同じ年配に近い同族の老人さえこう云って歯がみをすると、なおさら、子息や孫の若武者輩は、もう敵として立つ決意さえ眸に研ぎたてて、

「佐殿が何じゃッ。今の大声を聞けば、思い上がった阿呆に近い。あんな大将に、何で大事がなろう。こんな陣門へ礼を執って来ただに口惜しい限りじゃわッ。――さっ、引っ返そう! お祖父様」

「父上っ」

と、動かぬ広常の体へ寄り集まって、無理にでも、引き戻そうとした。

「…………」

が。広常は動かない。

そのうちにまた、頼朝の座所から前にも増して烈しい声がながれて来た。

「――ならぬっ。いらざる取做しをいたすなっ。追い返せと申すに!」

広常の身をつつんでいた一族の輩は、その声を洩れ聞くと、くわっとなって、

「うぬっ」

一斉に、陣刀のつかを掴んだ。

「何をするっ。推参な」

広常は、叱りつけると、どう考えたか、それへ坐って、両手をつかえないばかり身を慎んで見せた。