Classici giapponesi con furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate
ここしばらくの討ちつ討たれつは仕方がない。そのうちに、平家でない次の世は、こう行くのだと、方向を教えてくれる。――お前がたは、その善い人をよいと称え、悪い代り手だったら正直に悪いといい、ここの土と一緒にいればよい。何が起っても、どう上のものが革まっても、京都の土に変りは来ないのだから――」
どこか、奥州訛りのあることばだった。
乳のみを抱いて、小屋の中に交じっていた職人の妻らしい年増の女が、
「あ……。あの人は、見たことがある。白拍子の翠蛾さんの旦那さまや。奥州の吉次とかいう人によう似ているがの」
と、そばの人達へ囁いた。
二
「ホ、翠蛾さんの?」
「翠蛾さんではなかろ、妹の潮音さんの旦那であろ」
「どちらにしても、あの白拍子の家に五、六年前までは、時折見えたことのある奥州の大商人とやらにちがいない」
しきりと、自分のすがたへ眼をそそぎ、指さし合って、密々いう辺りの声に、吉次も気がついたか、急に間がわるそうにして、
「いや、わたしは旅の者で、どっちみち京都に長居はしていないが、まあ、今の世の大きな変りようは京都だけの事ではない。日本じゅうは地つづきだからの」