Classici giapponesi con furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Leggi 源頼朝 (みなもとよりとも) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 306.118 caratteri · 613 schermate
「御曹子……。あなたが、お訊きになりたいのは、円済どののお便りもさる事ながら、もっと他のお方のことではありませんか。あなたの生みの母御前常磐どののその後のご消息を知りたいのでしょう」
「…………」
常磐――という一言を聞くだけでも、彼の血、皮膚、髪は恋しさにおののき疼いた。その胸の中のものを公朝に指されたとたんに、彼は何の見得もない一個の痴児となって、
「……そ、そうです。お察しのとおりです。何ぞ、母の身についてご存知なればお聞かせ下さい。兄円済へもよそながら、書状にて、問い合せてはみましたが――出家の身、世事何事も弁えぬ。とのみ、素気ないご返事を一度下されただけでした」
「素気ないのではございますまい。宮のおそば近う仕える身、ご無理はありません。――それにまた事実、常磐どののお身の上とて、京都の大きな変りようと共に、何もかも押流されて、今では平家方について行かれた多くの公卿衆のうちに在るやら、誰ぞの領所を頼って田舎へお引籠りやら、恐らく知る人はありますまい」
「この世に生きておいであることは、慥かでしょうか」
「さあ、それとても、如何なものでしょうか。お互いにいつ知れぬ身ですから」