Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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てりはきょうげん

照葉狂言

泉 鏡花

Leggi 照葉狂言 (てりはきょうげん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.730 caratteri · 100 schermate

Aozora Bunko

五

この時その役勤し後、渠はまた再び場に上らざるよし。蛇責の釜に入りしより心地悪くなりて、はじめはただ引籠りしが、俳優厭になりぬとて罷めたるなり。やや物狂わしくなりしよしなど、伯母上のうわさしたまう。

何地行きけむ。久しくその名聞えざりしが、この一座に交りて、再び市人の眼に留りつ。かの時の俤は、露ばかりも残りおらで、色も蒼からず、天窓兀げたり。大声に笑い調子高にものいい、身軽く小屋の中を馳せ廻りて独快げなる、わが眼にもこのおじが、かの恐しき事したりとは見えず。赤き顱巻向うざまにしめて、裾を括げ、片肌脱ぎて、手にせる菓子の箱高く捧げたるがその銀六よ。

五

「人気だい、人気だい。や、すてきな人気じゃ。お菓子、おこし、小六さん、小親さん、小六さんの人気おこし、おこしはよしか。お菓子はよしか。」

いまの能の品評やする、ごうごうと鳴る客の中を、勢いよく売ありきて、やがてわが居たる桟敷に来りて、

「はい、これを。」

と大きく言いて、紙包にしたる菓子をわが手に渡しつ。

「楽屋から差上げます。や、も、皆大喜び、数ならぬ私まで、はははは。何てッてこれ坊ちゃんのようなお小いのが毎晩見て下さる。