Classici giapponesi con furigana
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てりはきょうげん
照葉狂言
泉 鏡花
Leggi 照葉狂言 (てりはきょうげん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.730 caratteri · 100 schermate
野衾
一
雨の日はいかにしけむ、今われ覚えておらず。麗かなる空をば一群の鳩輪をつくりて舞うが、姉上とわれと対いあえるに馴れて、恐気なく、此方の軒、彼方の屋根に颯と下しては翼を休めて、廂にも居たり。物干場の棹にも居たり。棟にも居たり。みな表町なる大通の富有の家に飼われしなりき。夕越くれば一斉に塒に帰る。やや人足繁く、戸外を往来うが皆あおぎて見つ。楓にはいろいろのもの結ばれたり。
そのまま置きて一夜を過すに、あくる日はまた姉上の新たに結びたまわでは、昨日なるは大方失せて見えずなりぬ。
手届きて人の奪うべくもあらねば、町の外れなる酒屋の庫と観世物小屋の間に住めりと人々の言いあえる、恐しき野衾の来て攫えて行くと、われはおさなき心に思いき。
野衾
一
その翼広げたる大きさは鳶に較うべし。野衾と云うは蝙蝠の百歳を経たるなり。年紀六十に余れる隣の扇折の翁が少き時は、夜ごとにその姿見たりし由、近き年は一年に三たび、三月に一度など、たまたまならでは人の眼に触れずという。一尾ならず、二ツ三ツばかりある。普通の小さきものとは違いて、夏の宵、夕月夜、灯す時、黄昏には出来らず。初夜すぎてのちともすればその翼もて人の面を蔽うことあり。