Classici giapponesi con furigana
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てりはきょうげん
照葉狂言
泉 鏡花
Leggi 照葉狂言 (てりはきょうげん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.730 caratteri · 100 schermate
三
三
舞台には隣間近なり。ここに居ても、この声の聞えやせむかと、夜ごとに枕を欹てなどしつ。おもて立ちて訪ずれむは、さすがに憚りありたれば、強いて控えたり。余所ながら姉上の姿見ばやと思いて、木槿垣の有りしあとと思うあたりを、そぞろ歩行して、立ちて、伺いしその暮方なりき。
ふとこの継母とわれは出逢いつ。
幼顔は覚え染みて忘れざりけむ、一目見るよりわれをば認めつ。呼懸けられたれば隠れも得せで、進寄りて、二ツ三ツものいううち、青楓の枯れたるをはじめとして、継母はいたずらに数々のその昔をぞ数えたる。
「あんたに面と向うては言悪い事じゃがの。この楓の樹な、はや見るたびに腹が立つ。憎いやつで、水の出た時にの、聞いてくんなされ。
あんたの家も、私家も、同一に水びたり。根太の弛んだはお互様じゃが、私が家など、随分と基礎も固し、屋根もどっしりなり、ちょいとや、そっとじゃ、流れるのじゃなかったに、その時さの、もう洪水が引き際というに、洪とそれ一瀬になって打着ると、あんたの内のこの楓の樹が根こぎになって、どんぶりこと浮き出いてからに、宅の、大黒柱に突き当ったので、それがために動き出いて、とうとう流れたというもんじゃ。