Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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てりはきょうげん

照葉狂言

泉 鏡花

Leggi 照葉狂言 (てりはきょうげん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.730 caratteri · 100 schermate

Aozora Bunko

三

汝婦人とばかり仲好くして、先刻もおれを見て知らない顔して談話してたじゃあないか。そうするが可いや、うむ、たんとそうするさ。」

「国ちゃん、堪忍おし。」

「へ、あやまるかい。うむ、あやまるなら可いや。じゃあ可いから、な、その座蒲団にちょっと己をのッけてくれないか、そこを退いて。さあ、」

国麿はヌト立ちつつ、褄取りからげて、足を、小親がわれに座を設けし緋鹿子に乗せんとす。止むなく、少しく身を退きしが、と見れば足袋を穿きもせで、そこら跣足にてあるく男の、足の裏太く汚れて見ゆ。ここに乗せなばあとつけなむ、土足にこの優しきもの踏ますべきや。

「いけないよ。」

「何だ……」

覚悟したれば身を交して、案のごとく踵をあげたる、彼が足蹴をば外してやりたり。蒲団持ちながら座を立ちたれば、拳の楯に差翳して。

三

「あら。」

国麿の手は弛みぬ。われは摺抜けて傍に寄りぬ。

「いやです、いやです、あなたはいやです。」

緋鹿子の片隅に手を添えて、小親われを庇うて立ちぬ。国麿は目を怒らしたり。その帯は紫なり、その襯衣は紅なり。緋鹿子の座蒲団は、われと小親片手ずつ掛けて、右左に立護りぬ。小親この時は楽屋着の裾長く緋縮緬の下着踏みしだきて、胸高に水色の扱帯まといたり。