Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 230.599 caratteri · 458 schermate
この点もわかって下さるでしょう? 私にはどうしたって生々として皮膚にじかにふれて来る生活の風がいるのだから、今になってもあの空気を考えると涙が出るわ。苦しくなったら机と夜具をもって出かけるわ、ね。わかっているのです、息がつまって来て、バタつくのが。だから私がアプアプしはじめて、何とかうごきたがるときは、どうかそのようにさせて下さい、これは今からあらかじめ諒解ずみということにしておいて頂きます。あれこれの条をわかっておいていただくと、こまかいことについてごたごた喋らないでも話の意味がわかりますから。そのようにして開始したいの。
今ここにきこえている省線の遠い音だの、いかにも秋らしい西日の光だの、そういうものを一つ一つ鮮やかな感情で感じます。
生活っていうものは不思議なものね。本質的なものでないものでもそれが自分の生活として身について何年か経ると、そこからはなれるのに、丁度、植木をぬくとき細い根の切れて来るプリプリプッというような音がするのね。
今度は生活というものについてなかなかいい経験をしたと思います。こういう形なら形で毎日の生活が運ばれて来ていると、その中のどの部分に大事なものがあるのか、ほかの形のついている部分はどういうものかということを吟味するのは、やはり根本的な問題がおこらないと、だらだらに、しかも