Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 230.599 caratteri · 458 schermate
やっぱり、でもっていうところがあるわ。
咲枝なんか、何か大して関心ももたずきいて笑っていたけれど、咲枝にとったってひとごとではないと思われます。
うちでは、咲枝がこうしているからこそみんなこうやって暮してゆけているのだけれど、なかなかよ、見ていると。
旦那様というものは大切にされるのねえ、どこでも。
勿論それは私だって決して決してで、それは御本人がよく御存知と思いますけれども、旦那様の非条理がいくらか通りすぎるわね、どこのうちでも。家庭ではそこがおそろしいところね、うちの中だけのことを云えばどんな風変りも通用するのだもの。ちゃんと社会的活動をしない、うちの旦那という人々がみんなどこか偏屈だったり、変ったりしているのは尤もね。イギリスの貴族のひどい偏屈変りものが十九世紀の小説にはよく出て来ていますが、それは人間性の浪費でああいうことになってしまうのね。
夕方や朝、丸の内に津浪のようにさしよせる灰色の人浪を見ると、余りただ一色の人間群で悲しいし。本当に人間らしい姿と足どりとで生きるということがそのようにむずかしいということが抑※(二の字点、1-2-22)の問題であるわけです。