Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
たまものまえ
玉藻の前
岡本 綺堂
Leggi 玉藻の前 (たまものまえ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.703 caratteri · 261 schermate
まことによう仕まつった。奇特のことじゃ。関白殿下にも定めて御満足であろう。世は末世となっても、敷島の道はまだ衰えぬかと思うと、われらも嬉しい」
師道は幾たびか繰り返してその歌を読んだ。文字のあともあざやかであった。かれは感に堪えてしばらくは涙ぐんでいた。それにつけても彼はこの才女の身の上を知りたかった。
「今も聞く通りじゃ。これほどの歌は又とあるまい。すぐに関白殿下に御披露申さねばならぬが、さてその時にこの詠みびとは何者じゃと問われたら、わしは何と申してよかろう。もうこの上は隠すにも及ぶまい。いずこの誰の子か、正直に明かしてくりゃれ」
「どうでも申さねばなりませぬか」と、藻は思い煩らうように言った。「身分の御詮議がむずかしゅうござりまするなら、詠みびと知らずとなされて下さりませ」
「それもそうじゃが、なぜ親の名をいわれぬかのう」
「申し上げられませぬ。わたくしはこれでお暇申し上げまする」
言い切って、藻はしとやかに座を起った。その凛とした威に打たれたように、大納言は無理に引き留めることも出来なかった。彼はこの美しい不思議な乙女のうしろ姿を夢のように見送っていたが、急に心づいて青侍を呼んだ。