Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
「これを手に受けたらその日に立てとある――オオ、こうしてはいられないのだ。竹童とやら、はるばる使いにきてご苦労だったが、わしはこれからすぐ、伊那丸さまのおいでになるところへいそがねばならぬ、鞍馬へ帰ったら、どうかご老台へよろしくお礼をもうしあげてくれ」
「ハイ承知しました。だけれどお坊さん、おいらは少しこまったことができてしまった」
「なんじゃ、お使いの褒美に、たいがいのことは聞いてやる、なにか望みがあるならもうすがよい」
「ううん、褒美なんかいらないけれど、そのクロという鷲はお坊さんのものなんだネ」
「いやいや、この鷲はわたしの飼い鳥でもない、持主といえば、武田家にご由緒のふかい鳥ゆえ、まず伊那丸君の物とでももうそうか」
「ネ、おいら、ほんとをいうと、このクロと別れるのがいやになってしまったんだよ。きっと大切にして、いつでも用のある時には飛んでいくから、おいらにかしといてくんないか」
天真爛漫な願いに、忍剣もおもわず微笑んでそれをゆるした。竹童は大よろこび、あたかも友だちにだきつくようにクロの背なかへふたたび身を乗せて、忍剣に別れを告げるのも空の上から――いずこともなく飛びさってしまった。