Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
しかし、かれには二千の野武士があり、幾百の猛者、幾十人の智者軍師もいることじゃ。なかなか七十人や八十人の小勢でおしよせたところで、たやすく嶮所の廓は落ちまいと思う」
「わたくしもあのなかを見てきましたが、どうしてどうして、おそろしい厳重な山荘でございました」
「それゆえ、力で押さず、智でおとす。しかし、智にたよって勇をうしなってもならぬゆえ、わざと伊那丸さまにはお知らせいたさず、そちにだけ第二の密計をさずけるのじゃ。竹童、耳を……」
「はい」
とすりよると、果心居士は白髯につつまれた唇からひそやかに、二言三言の秘策をささやいた。
それが、いかにおどろくべきことであったかは、すぐ聞いている竹童の目の玉にあらわれて、あるいは驚嘆、あるいは壮感、あるいは危惧の色となり、せわしなく、瞳をクルクル廻転させた。
「よいか、竹童!」
はなれながら、果心居士はさいごにいった。
「一心になって、おおせの通りやりまする」
「そのかわり、この大役を首尾よくすましたら、伊那丸さまにおねがいして、そちも武士のひとりに取り立てて得さすであろう」
「ありがとうござります。お師匠さま、侍になれば、わたくしでも、刀がさせるのでござりましょうね」