Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
これからこの野馬にのって、明方までに富士川の下までお送りしてあげますから、あれから駿府へでて、いずこへなり、身をおかくしなさいまし、ここに関所札もありますから……」
と、黒装束のさしだした手形をみて、伊那丸はいよいよふしぎにたえられない。
「そして、そなたはいったいたれびとでござりますぞ」
「だれであろうと、そんなことはいいではありませんか。さ、早く、これへ」
と白駒の手綱をひきだしたとき、はじめて月に照らされた覆面のまなざしを見た伊那丸は、思わずおおきなこえで、
「や! そなたはさっきの女子、咲耶子というのではないか」
「おわかりになりましたか……」涼しい眸にちらと笑みを見せて、それへ両手をつきながら、
「おゆるしくださいませ、父の無礼は、どうぞわたしにかえてごかんべんあそばしませ……」と、わびた。
「では、そなたは小角の娘でしたか」
「そうです、父のしかたはまちがっております。そのおわびに鍵をそッと持ちだしておたすけもうしたのです。伊那丸さま、あなたのおうわさは私も前から聞いておりました、どうぞお身を大切にして、かがやかしい生涯をおつくりくださいまし」
「忘れませぬ……」