Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate

Aozora Bunko

ような挙動をして、まんまと伊那丸方の部下にばけ、逃げだす機会をねらっている。

もっとも足のよわい蚕婆は、れいの針を口にふくんで、まえの抜け穴に舞いもどり、見つけられたら吹き針のおくの手をだそうと、眼をとぎすましていたけれど、悪運まだつきず、穴の前を加賀見忍剣と龍太郎が駈け過ぎたにもかかわらず、とうとう見つけられずに、なおも息を殺していた。

「木ッ葉どもはどうでもよい、呂宋兵衛はどうした」

「かくまで手をつくしながら、当の呂宋兵衛を取り逃がしたとあっては、若君に対しても面目ない、者ども、余人には目をくれず、呂宋兵衛を取りおさえろ」

忍剣と龍太郎が、ほとんど狂気のように叱してまわったが、なにせよ、身を没すばかりな深山笹、杉の若木、蔦葛などが生いしげっているので、うごきも自由ならずさがしだすのもよういでなかった。すると、かなたにあって、

「やあやあ、巽小文治が和田呂宋兵衛を生けどったり! 和田呂宋兵衛を生けどったり!」

声、満山鳴りわたった。

「ワーッ――」

「ワーッ」

と、手柄名のりにおうずる味方の歓呼、谷間へ遠く山彦する。

さしも、強悪無比な呂宋兵衛、いよいよここに天運つきたか。