Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
「そのふたりが、思いがけなくめぐりあった心祝いに、てめえたちにも飲ませるから、いまの魚を料理して、もっと酒をはこんでこい」
「しょうちしました。だが、そうとするといまの鯔はいったいどうしたってんだろう?」
「あれは呂宋兵衛が、水気魚陰の法をかけて、てめえたちみてえな半間なやつの目をくらましたのだ。しかし、魚はちょうど船へ跳ねこんだほんものだそうだから、安心して料理するがいい」
手下どもを追いはらって、ふたりとなった船櫓に、龍巻と呂宋兵衛、久しぶりの酒を酌みかわして、話はつきないもよう。
名はおそろしい海賊と山賊だが、久濶の人情には、かわりのないものとみえる。
「なあ、龍巻。てめえとおれとは、その昔、天下を二分するような元気で別れたんだが、おたがいに、いつまでケチな賊の頭領じゃしようがないなあ」
「しかし呂宋兵衛」
「なんだ」
「おめえは富士の山大名とか、野武士の総締めとかいわれて、豪勢なはぶりだってことをうわさに聞いていたが」
「さ、それが残念千万な話で、いちじは富士の殿堂に、一国一城の主を気どっていたが、武田伊那丸という小童のために、とうとう人穴城を焼けだされて落武者となってしまったのだ」