Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate

Aozora Bunko

二

そこへまた、二、三人の弟子僧が、色を失ってかけてきた。

「お師さま! 信長公の家臣が三人ほど、ただいま、ご本堂から土足でこれへかけあがってまいりますぞ」

「や、敵が?」

と巨摩左文次は、すぐ、陣刀の柄をにぎった。

快川は落ちつきはらって、それを手でせいしながら、

「あいや、そこもとは、しばらくそこへ……」

と床下をゆびさした。急なので、左文次も、宝物をかかえたまま、縁の下へ身をひそめた。

と、すぐに廊下をふみ鳴らしてきた三人の武者がある。いずれも、あざやかな陣羽織を着、大刀の反りうたせていた。眼をいからせながら、きッとこなたにむかって、

「国師ッ!」

と、するどく呼びかけた。

二

天正十年の春も早くから、木曾口、信濃口、駿河口の八ぽうから、甲斐の盆地へさかおとしに攻めこんだ織田徳川の連合軍は、野火のようないきおいで、武田勝頼父子、典厩信豊、その他の一族を、新府城から天目山へ追いつめて、ひとりのこさず討ちとってしまえと、きびしい軍令のもとに、残党を狩りたてていた。

その結果、信玄が建立した恵林寺のなかに、武田の客分、佐々木承禎、三井寺の上福院、大和淡路守の三人がかくれていることをつきとめたので、使者をたてて、落人どもをわたせと、いくたびも談判にきた。