Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate

Aozora Bunko

「どうだい大将――」

と、あざわらった。

「なんだと」

「おもらいがたくさんあるかい。え、お菰さん」

「…………」

「はははは、さすがは偉いもんだ、果心居士のお弟子さんはな。鞍馬の竹童はえらいよ偉いよ、とうとう花の都へでて、天下のお乞食になったんだからな」

「だれだ、だれだッ、おいらの名を知っているのは?」

「おめえ、盲のくせに勘がわるいな。アアにわか盲だから、声まで見えなくなったのか。じゃアいって聞かしてやろう。びっくりして気絶するなよ。こう申す者こそはすなわち、おめえのクロを頂戴して、天下に名をあげている蛾次郎さまだア」

「なにッ! 蛾次郎だとッ」

さけぶや否、鞍馬の竹童、般若丸の名刀をピュッと抜きはなって、声のするほうを、さッと斬りはらった。

まさか鞍馬の竹童が、こんな名刀を持っていようとは夢にも知らなかった蛾次郎、アッといって床下からころげだし、すぐむこうにあった小屋のなかへ、四つンばいにかくれこんだ。

が、そこはれいの神馬小屋であったので、注連飾りをつけた白馬が、ふいの闖入者におどろいて、ヒーンと一声いなないたかと思うと、飛びこんできた蛾次郎の脾腹を蹄でパッと蹴りかえした。