Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
「オオ、クロがいた! おれのクロだ!」
かれは思わずこうさけんだ。あたかも、暗夜に見うしなった肉親の姿でも見つけたように――
と、ちょうどその時である。
南蛮寺の奥のほうから、ジャン、ジャン、ジャン! 妖韻のこもった鐘の音――そして一種の凄味をおびた貝の音がひびいてきた。ハッと思ってふり向くとたんに、丘のいただきにある南面の朱門が、魔王の口を開いたように、ギーイと八文字に押しひらかれた。
同時に――
その朱門の中からワラワラとあふれだしたおびただしい浪人武者! 黒装束へ小具足をつけたるもの、鎖襦袢をガッシリと着こんだもの、わらじ野袴に朱鞘のもの、異風さまざまないでたちで、その数五十人あまり。
百鬼夜行ということはあるが、これは爛々たる朝の陽をあびて、その装束が同じからぬごとく、その武器も槍、太刀、かけや、薙刀、鉄弓、鎖鎌、見れば見るほど十人十色。
「それッ、列をみだすな、駕籠わきへつけ、駕籠わきへ」
なかに、ひとりこういって、手をふりあげた者がある。これぞたしかに、紅毛黒衣の怪人、和田呂宋兵衛にまぎれもない。
黄金の鎖を胸にたらした銀色の十字架、それが、朝陽をうけて、ギラギラ光っている。