Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
あの人たちは、みなじぶんを心の底からいとしんでくれる、骨肉のようなやさしさと、温味をもっている。
その人たちに久しぶりで会おう。
小太郎山は、乱世の中にあってゆるがず、みだされずにある、義血の兄弟たちの家だ。その家へ帰ろう。こう思うと矢も楯もなく、竹童は、神官の菊村宮内に、きょうまでうけた親切の礼をのべ、井上大九郎の舟に送られて、ほのぼのと夜の白みかけた竹生島へ別れをつげた――。
もとより、辛苦になれている竹童には、野に伏し樹下にねむることも、なんのいとうところではなく、また鞍馬の谷で馴らした足には、近江街道の折所や東海道の山路なども、もののかずにはならないので、なみの旅人のはかどるよりは数日もはやく里数をとって、間もなく、家康の領地、遠江の国へ近づいてきた。
しかしそこまでいって、ハタと竹童がとうわくした、というのは、いたるところの国境に、徳川家の関所がきびしく往来をかためていて、めったな者は通さないという風評であった。
で、やむなく、街道を遠くはなれて、人もとおらぬ山河を越え、ようよう遠江の国へはいったが、こんな厳重さでは、さきに桑名を立った伊那丸たちも、やすやす、無事にここを通れたとは思われない。