Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
片手に独楽――まわすと見せて、一方の手に、般若丸の脇差を抜きはなったかと思うと、杉の根もとにつながれている、クロの綱をさッと斬った。
紫電のおどろきに、鷲は地をうってユラリ――と、空に足をちぢめた。
ふたたび帰らぬ高き上に。
「あ、あ、あッー」
と、不意をくったとんぼ組の小姓たちは、旋風にまかれた木の葉のように、睥睨する大鷲の腹の下で、こけつ、まろびつ、悲鳴をあげて、
「逃がすな」
「いまの独楽まわしーッ」
「あッちへいった!」
「鷲も逃げた!」
「それ」
「そらッ」
「追ッかけろ!」と走りだした。
見れば竹童もまッ先に馳けてゆく。
竹童は鷲を追い、万千代は竹童を追い、小姓とんぼは万千代のあとからあとから――
三
いつか茜いろの曠野は、海のような青い黄昏とかわっていた。草をけって、追いつ追われつする者たちには、十方なにものの障壁もない。
すると不意に、
さきへ走った竹童が、するどい気合いをあげて、なにやら、虚空へ棒のようなものを投げあげた。
クルクルと螺旋に舞って、それが、空の藍へとけ入ったかと思うと、高いところで、かッ、という音がひびいた。そして、前の棒切れが反落してくるのと一しょに、クロの巨影もそれにつれて真一文字に地へ降りてきた。