Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate

Aozora Bunko

三

そしてやがて。

「独楽まわしのにせ者め」

「鷲をかえせ、鷲をかえせ」

声をそろえて、そこへ万千代たちのなだれてきたころには、すでに、地上に竹童のすがたもなく、大鷲の影もなかった。

ただ、あッ気にとられていた眼へ、ふとうつったものはちょうどそのとき野末をはなれた、大きな宵月の光に、なにやら知れぬものの影が、草の上をフワフワとさまよった――それだけであった。

おお、お小姓とんぼの坊ッちゃんたち!

三方ヶ原をあとにしながら下に月光の山川を見、あたりに銀鱗の雲を見ながら、鞍馬の竹童は鷲の上から叫ぶのである。

これはもともとおいらの鷲だ。

おいらのものはおいらに帰る。なんのふしぎもないはなしだ。蛾次郎みたいに、ぬすんで逃げるのとはわけがちがう。

独楽でだましたのは悪かったけれど、おとなしくクロを渡してくれといっても、かせといってたのんでも、浜松城の腕白坊ッちゃん、けっして、すなおには承知しないでしょう。だから、あんな詐術をやりました。

それも武田一党のため。ああ、しかも伊那丸さまの危難を知った日に、この鷲が、ふたたびじぶんの手にかえるとは、天がこの竹童をあわれんでか、果心居士さまのお護りであろうか。