Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
二
「あッ」
ドボーン! ……と西瓜大のくろい物?
いちど深く沈んでから、ボカッと、あわだった水面に浮きあがってきたのを見ると、若い武士の生首だ。
胴のない生首は、胴をかくして立ち泳ぎをしている人間のように、グルリとまわって、足軽のほうへ顔を向けた。
「おッ……黒川八十松さまの首だ!」
驚くまもあらず、ごうーッと一陣の強風にのって、ひくく、黒雲のように、旋舞して降りた大鷲があった。
とたんに、扇縄の水の手一つからザアッと龍巻がふきあがったかと見れば、非ず! いきなり鷲のくちばしが、竹童の帯をくわえて宙へ立ったのである。
高くつりあげられた竹童のからだから夕立のような水しずくが降る!
「あ、怪物ッ」
宙をとんだふたりの兵糧方。
早、腰をぬかさんばかり驚いて、具足のままあっちこっちに寝ている武士を起してまわった。
「逆襲? ……」
「朝討ち?」
寝ぼけまなこに得物をとった侍や山掘夫どもは、稀有の大鷲が少年をくわえて舞いあがったと聞き、興味半分にワラワラと貯水池のほうへ馳けてきた。
だが――ゆうべ陣馬ヶ原で、おそろしい経験をなめているものは、
「あぶないぞ、油断するな」