Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
三
「それ、長老と、ご最期をともにしろ――」
つづいて、一山の僧侶たちは、幼い侍童のものまで、楼門の上にひしひしとつめのぼった。
寄手の軍兵は、山門の下へどッとよせてきて、
「一山の者どもは、みな山門へのぼったぞ、下から焼きころして、のちの者の、見せしめとしてくれよう」
と、うずたかく枯れ草をつんで、ぱッと火をはなった。みるまに、渦まく煙は楼門をつつみ、紅蓮の炎は、百千の火龍となって、メラメラともえあがった。
楼上の大衆は、たがいにだきあって、熱苦のさけびをあげて伏しまろんだ。なかにひとり、快川和尚だけは、自若と、椅子にかけて、眉の毛もうごかさず、
「なんの、心頭をしずめれば、火もおのずから涼しい――」
と、一句のことばを、微笑のもとにとなえて、その全身を、焔になぶらせていた。
三
「おお! 伊那丸さま。あれをごらんなされませ。すさまじい火の手があがりましたぞ」
源次郎岳の山道までおちのびてきた忍剣は、はるかな火の海をふりむいて、涙をうかべた。
「国師さまも、あの焔の底で、ご最期になったのであろうか、忍剣よ、わしは悲しい……」
伊那丸は、遠くへ向かって掌を合わせた。