Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
この遠駆けは勝負なしじゃ」
「なぜ?」
「小文治は蔦之助の矢を取ってかえるべきがとうぜん、また燕作は、伝内の矢を持ちかえらねばならぬはずじゃ。それを双方心得ちがいをして、かくべつべつに取りちがえてきた以上、この遠駆け試合は、やりなおしか、互角とするよりほかはありますまい」
ひきょうな苦情である。
負けたがゆえに理のないところへ理をつけた難癖である。
かりにも、武門の塵をはいて行われた試合のうえに唾棄すべききたない心がけだ。
忍剣や龍太郎の面上には、みるまに、青い怒気がのぼった。
その禅杖、その戒刀は、いまにも長安の細首へ飛びかかろうとしているふうだったが、かれの周囲にも、菊池半助や、呂宋兵衛が、眼をくばって護っている。
ただ、こまったのは鐘巻一火である。
かれは双方の板挟みとなって、この場合をどう処置していいのか、ほとんど、とうわくしてしまった。
それを是とするか非とするか、自分の唇をでる、ただ一句で、どんな兇刃がものの弾みで御岳の神前を血の海としないかぎりもない。
「うーむ。これはどうしたものか」
両方のあいだに立って、かれがとうわくの腕ぐみをかたくむすんだ時、