Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate

Aozora Bunko

ふかく責めれば、腹を切ってもわびそうな気色なので、四人はぼうぜんと顔を見あわせたのみで、一火を責める気にもなれない。

「計ったのだ。長安めの、はかりごとだ!」

と、小文治が唇をかみしめて叫ぶと、蔦之助も、

「そうだ! なんのかのと、時刻をうつしてさわがせたのは、このすきをうかがうための徳川方の策だったのだ。おそらく咲耶子の身は、きゃつらに、奪い去られたにそういない」

龍太郎は黙然とうなだれていたが、

「われわれがあさはかだったのだ。かれらを正しい武門の人間とかんがえて、試合や争論に汗をながしたのがおろかであった。これまでの力をつくしながら、咲耶子をとられたものならぜひがない、いちおう、ここを退いて、またあとの分別をつけるとしよう」

そういわなければ、一火の立場があるまいとさっして、かれが他の三人に目まぜをすると、忍剣はなにもいわずに、鉄杖をこわきにかかえて、まえの場所へかけもどった。

その顔色をチラと見て、龍太郎は追いすがりながら、

「忍剣! きさまは色をかえて、どこへゆこうとするのだ」

息ぜわしく、袖をつかんだ。

ふりはらって、ただ一言、

「はなせ!」

と語気がするどい。