Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十)金色の処女

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 137.868 caratteri · 278 schermate

Aozora Bunko

七

次第に疑問を畳み上げて、下手人の影法師に生命を付与して行く親分の強大な想像力に、ガラッ八は呆気にとられて聴入るばかりでした。

七

「親分、庭の苔は、母屋の居候先生の部屋の窓の下まですっかり踏まれていますよ」

八五郎は鬼の首でも取った様子です。

「よしよし、それから、主人が死んで一番損する奴は誰だか聞いて来い」

「ヘエ――」

八五郎がもう一度母屋へ行くうち、平次は離屋の戸棚からいろいろの書類を取出してザッと眼を通しました。

「有り金は千三百四十八両、貸金は三千五百両、外に地所と家作――大変な身上だな」

平次は番頭の元吉を相手に遺された身上を調べております。

土蔵へ案内させて、有り金を調べてみると、帳面通り千三百四十八両、ピタリと合って、一文の狂いもありません。

「番頭さん、さすがに恐れ入ったね、主人が死んだ後で、一文一銭の不審な金もないというのは大したことだ」

「ヘエ、恐れ入ります」

「ところで、その紙に包んである分は何だい」

「これは奉公人達へわけてやるように、主人が達者なうちから、こうしておきました」

「どれどれ」

「跡取りのない御主人のことで、無理もない用意でございます」