Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(四)城の絵図面

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(四)城の絵図面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.179 caratteri · 280 schermate

Aozora Bunko

お絹は取り乱した中にも、才女らしくハキハキと答えました。二十歳というにしては、少しふけた方ですが、充分美しいうちにも何となく理智的なところのある娘でした。絹の縞物は少し平常着に贅沢ですが、時めく流行医者の娘としては、騒ぎの中にも良い嗜みです。

「提灯の紋は?」

「それも見ませんでした。もっとも昨夜はあの風で、手拭で提灯を包んでも不思議はなかったのでございます」

「フーム」

平次は唸るばかりです。

「親分、お願いでございます、一日も早く探し出して下さい」

気象者のお絹も、平次の手を取らぬばかりにこう言うのでした。

門弟達、出入りの者、一と通り調べましたが、なんの手掛りもありません。往来で駕籠を見かけた人を捜すことなどは、時も時、正月三日の江戸の街でも、思いも寄らぬことです。そのうちに松が取れて、世間は次第に静かになりましたが、道庵の行方は見当も付かず、平次もすっかり腐ってしまいました。

「平次、医者殺しの下手人はまだ判らぬか。一色道庵の行方知れずになった事は、殿中の御噂にまで上ったそうだよ」

与力の笹野新三郎は、平次を激励するともなく、こんな事を言うようになりました。