Classici giapponesi con furigana
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くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
Leggi 黒田如水 (くろだじょすい) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.639 caratteri · 325 schermate
この亘様が、いつの間にかお菊どのを見ておるらしい――何でも町へ出られた折、お菊どのが、小女に買物を持たせ、白傘さして歩いていたのを見かけられたものだとかいうのだな。……以来、おれの嫁は、あれに限る。あれでなくては貰わんといっておられるのだ」
「……へへえ?」
ようやく新七は少し返辞らしい声が出せて来た。八弥太は大真面目なのである。嘘とは思われない。
「……だが何せい今は、織田軍につつまれているこの戦陣の中。まさかご祝言も運べますまいと、わしがいった。するとだ、亘様には、何も今が今というのじゃない。其方から新七へ約束だけしておけと仰っしゃるのだ。そしてまた、仰っしゃることもおもしろい。もしやがて、織田軍が伊丹城へ襲せかけて来たおりに自分が討死したら、その約束は元よりないものとしてどこへなりと、お菊どのの好きな家へ嫁ぐがいい。……ただその日までの約束でいいといわれるのだ」
「ははあ……、左様ですか」
新七は頷けた。彼の職業がら、今時の若い武士たちの気性はよく分っている。恋をしようと、一個の美い鎧具足を註文しようと、彼等のあいだには常に、夢寐の間にも、「明日は知れないいのち」