Classici giapponesi con furigana
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くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
Leggi 黒田如水 (くろだじょすい) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.639 caratteri · 325 schermate
二
加古川の陣屋で、その夜、播州お味方の大宴が開かれた。宴が終ると、席を更えて、軍議に移った。既定方針の大本と、織田家の不敗必勝の態勢だけを宣べておけば、今夜のところはまずよかろうくらいに、秀吉は、宴後の議席でもあるので軽く考えて臨んでいたのである。
ところが、その席上で非常によくしゃべる男がいた。別所長治の叔父の賀相と三宅治忠のふたりである。
秀吉は、時々じろりと眼を与えていた。彼も稀には虫を起すこともあるのだ。
二
「いま羽柴殿から、ご訓示やら抱負を述べられたが、どうだな、諸公。中央中央とよく仰せあるが、毛利衆からいわすれば、中国こそ中央というかもしれん。織田衆の眼は、ちと己れに即し過ぎて、毛利の勢力を、過小に観てはおられんかな? ……。どうもそんな気がするが」
と、これが別所賀相である。
酩酊の様子でもあるが、舌なめずりしながら、座の左右ばかりでなく、向う側の人々へも、しきりに呼びかけていうのであった。
「毛利家の富力と軍備は、ちょっと、想像も及ばんでな。殊に水軍は圧倒的なものだ。元就以来の蓄積がものをいっとるし、それに現主の輝元はともかく、吉川元春といい小早川隆影といい、そう甘くは見られん。