Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
Leggi 黒田如水 (くろだじょすい) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.639 caratteri · 325 schermate
二
「これは、荒木家の厩仲間から、ふと耳にしたのだが、ご主君官兵衛様の囚われている場所は、城内の北の隅で、俗に、天神池と呼ばれている藤棚のそばの武器庫だと聞いた。――惜しむらくは、絵図面の手に入る工夫がないが」
同志のひとり、喜多村六兵衛の言である。
藤田甚兵衛も共に、
「いや、わしも、そういう噂は、ちらと聞いた。伊丹城の北隅には、古くから祀ってある天満宮があったという。どうもご牢獄は、その辺りらしい」
「さすればまず、主君のご生命は、なおご安泰にわたらせられるという点だけは、確かと見てよい……慶賀にたえん」
後藤右衛門が、憮然といった。――しかしそのあとで間もなく衣笠久左衛門の口から、菩提山城に質子として養われていた主君の子が、成敗に遭って、ついに竹中半兵衛の手から安土へ渡されたという事実を披露されると、一同は、
「無情」
と、唇をむすび、
「ああ」
と、無念の涙を嚥んだまま、しばしいうことばも知らないような怒愁の気をここに湛えてしまった。
「ぜひもない」――この党では老年の方といえる母里与三兵衛は、語気を一転して、人々をこう励ました。
「それはそれ、後の問題としておこう。