Classici giapponesi con furigana
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くろだじょすい
黒田如水
吉川 英治
Leggi 黒田如水 (くろだじょすい) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.639 caratteri · 325 schermate
封の中
一
封の中
一
「やあ、見えられたか、官兵衛」
荒木村重はたいへんな機嫌を見せていた。むしろ衒気に近いものすらある。大きく膝頭をひらいて武将坐りを組み、長い肘を折って脇息へ倚せているため、すこし体が斜に構えた格好になっている。その筋肉のあらあらした隆起や青髯の痕にくらべて、側らから扇で風を送っている嫋女は余りに優雅ていた。
「いつもお変りありませんな。いや、いよいよご健勝のようで」
「何をいう官兵衛、左様に早く変ってたまろうか。お汝とはつい過ぐる頃、中国の陣で会っておる」
「ああ、上月城を退去の節、ちらと、信忠卿のご陣前で」
「――そうだろう、それなのに、幾年も会わぬようなことを申しおる」
「――何か、そんな気がふと致したのでござる。お人違いをする程に」
「なぜだ。なぜそんな気がするか」
「思うに、人はその人に相違なくても、月日はさほどに隔てておらなくても、人の心の変りようが、それがしをして左様に感ぜしめたのかもしれません」
「…………」
村重はまずい顔を作った。童女が陶物煙管に南蛮の莨をつめて、さっきから恐る恐るさしのべていたが、それに眼を向けても手を出さない。
左に置いてあった脇息を、右のほうへ持って据え直し、斜の構えを反対にしてから、