Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くろだじょすい

黒田如水

吉川 英治

Leggi 黒田如水 (くろだじょすい) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 163.639 caratteri · 325 schermate

Aozora Bunko

――織田軍もこれは予測せぬところだったので、今し方、新七がこれへ宙を飛んで来る途中では、なお事の不意に狼狽して、一兵も城には取っかかっていない様子であったという。――もとよりわれわれは、織田勢の力を恃むものでなく、ただただ主君のご一命を獄中からお救い申しあげる以外目標はない。時うつしては、或いは、どさくさ紛れに、荒木村重の家中が、獄裡にある官兵衛様のおいのちに危害を加えない限りもない。――ではこれからすぐ急ごう。お互いの働きは、日頃のしめし合わせの通り、たとい味方の者が、目の前で多くの敵に囲まれようと、主君のご安危をたしかめぬうちは、互いに顧み合わぬことだ。おぬかりあるな」

十名の影はみな武者ぶるいした。そして夜鴉のような群ら影を躍らせて児屋郷の長い田圃道を駆け競った。

途中の森陰を繞ると、視野からまっすぐに丘が見える、城が見える。そして秋十月の夜空をそめて、一道の赤い火光が、天の川をつらぬいていた。

いんいんたる貝の音や鉦鼓が城外の諸方面に聞える。総攻撃開始の気勢である。けれど織田勢はまだ城壁の下に兵影は見えなかった。

多くの兵馬がうごくのと違って、決死組十名の黒田武士たちは迅かった。