Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
月江も思わず彼の眼色につり込まれました。
そこで次郎が仔細を話す。次郎はその以前に釘勘や金吾の口から、お蝶のことを耳に挾んでいて、暇あるごとに江戸見物に出歩くついでに、それとなく注意をしていたものと見えます。
偶然、彼はそれより数日前に、お蝶が狭い横丁から出て来る姿に行き逢いました。しかし、その後気をつけてみると、まるで服装が違っているので、男か女かの判断に迷いながら、今日、浜町へ帰る率八に尾いてゆくお蝶を、またその後から尾けて行って見たのでした。
そしてまた、この根岸の下屋敷に、千蛾老人が亡い後の月江を引取ったのは、万太郎の計らいで、機を見て、彼が老人の生前に誓った約束を果たそうとする準備であるとも考えられるし、或いは、この家族に金吾を協力させて、千蛾老人を殺害した仇を討たせんとする支度であるようにも思われる。
ともかく、月江はここに移されて、或る機運の巡転をじっと待つ境遇に置かれています。
しかし、金吾からも万太郎からも、この正月以来、さっぱり音も沙汰もない。
時折、釘勘が浮かない顔をして月江の様子を見舞に来ますが、その釘勘にも、以後の消息はさらに窺うべくもありません。