Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
「おとぼけでない」
お粂は糸切歯にゆがんだ笑い方を見せて、
「相良さんの体を貸してくれないかってお言いなのかえ? じょうだんも大概にするがいい、お前、他人様の体を、損料ぶとんや蚊帳と間違えちゃ困るよ」
「じゃあ、どうだろう」
馬春堂はお粂の舌頭ぐらいには、チクリとも感じそうもない面の皮をして、
「ちょっと、手前に引き合わせてくれぬか」
「会ってどうするのさ」
「話があるんだ」
「私が聞いて取次いであげようじゃないか」
「御親切は有難いが、少し内密なことなので、じかに聞いて貰いたいと先方からも頼まれているので、どうも姐御に話すわけにはまいらんて」
「……ヘエ、それでは、用があるのはお前ではなくって、だれかべつに頼まれている人間があるんだね?」
いよいようさん臭いお客様と見て取って、長火鉢の猫板へ肱をもたせかけているお粂のたださえ凄艶な目の底に、油断のない光を加えています。
「だれだい、その頼み人は?」
「それも言ってくれるなと固く口止めされていてな……どうも弱った。だが何、決してお前さんの恋の邪魔をしようの何のというような腹じゃあないから……」
と馬春堂はお粂の気ぶりを嫉妬と察して、あらかじめその人間が女でないことを釈明するに努めましたが、お粂のきげんは直りそうもなく、頑として、金吾に会わせることはできないの一点張。