Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate

Aozora Bunko

する刹那に、天運の尽きるところか、黒衣の袖を白木の台の端に引ッかけて、それをたおした様子です。

「オオ、おのれッ」

叫ぶが早いか、金吾がパッと飛びかかッて行きますと、咄嗟に身を沈めて、相手の体を泳がせた日本左衛門は、白絹にくるんだままの短刀を、牙の如く口にくわえて欄にヒラリと足をかけると、

「めずらしいな! 金吾」

「おぼえておッたか、日本左衛門」

「オオ夜が明けそうだ。――おさらばだぜ」

「待てッ」

「おれの年貢の納め時は、まだちッと早そうだ」

言うかと思いますと、望楼の一角の柱をすべッて、四層目の廂まで、スルスルと、蜘蛛のように辷ッて行きました。

あっ! 何たる離れ業でしょう。

そこで一つよろめけば、四重層から櫓下まで落ちて微塵となる五体を、咄嗟、猫足のごとく納めたかと思いますと、日本左衛門の影は風を割ッて、扇廂の腕木から天守番役所の屋根の一端へと、ヒラリと躍っておりました。

「今だッ」

逃がしてなりましょうか、相良金吾として、与えられたこの再会を逸して、ふたたびこんな機会というものが巡ッて来るかどうか分りません。

無論のこと、彼もつづく。

豹躍! また豹躍!