Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
恐ろしい脅迫。
なまなか光り物を抜いたり月並な凄文句をならべないだけに、かえって底気味の悪いことは、倍で、さすが気の強い当世の蓮ッ葉らしい紫頭巾の娘も、糸の切れた操のように、居すくンだまま逃げ腰が立ち得ません。
その恐怖にみちた瞳を、この暗やみでなく、昼の明るさにこうジッと見合ったならば、日本左衛門も、かの伊太利珊瑚と思い合せて、ははアと、出所の謎を解いたのかも知れない。
と……切通し下から三ツ四ツの灯がチラついてくる。
タッ、タッ、タッ、と足音も少ない人数ではなく――。
「オイ、歩け」
と言ったのは日本左衛門が、早くもそれを知ったからで、うしろから帯あげの腰をグッとつかもうとすると、思いがけない、柔らかい手の温みが蛇の肌を思わせてからんで来ました。
「ねエ、御浪人さん、後生ですから……」
驚く間に、咽ッぽい女の香が、いきなり胸元へ押してきたのです。
「後生ですから、私を見のがして下さいよ。私、あの珊瑚のことが屋敷にわかると、ほんとに、困ってしまうんですから……」
なみの娘なら気を失う男の胸へ、自分の方から甘えるようにすがりついて行った。機敏な態度の変りようが、世間の裏を見抜いている日本左衛門にも舌を巻かせる蓮ッ葉です。