Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
「石神様を荒らしたやつがあるぞ」
「ふてえ奴だ、そいつはどうした」
「そいつは居ないが、ここに、これ、解けている振分と笠が落ちている」
「旅の者だろう」
「土着のものが、なんでそんな罰当りな真似をするもんじゃない。旅の者にちがいない」
「路銀に困って、またお賽銭でもねらったのじゃろう」
「ばか者めが、そしたらまた、手を突っ込んだ弾みに銭瓶の穴へ落ッこちているかも知れんぜ」
「何しろ早く、高麗村の御本家へ、このことを知らせておかねばなるまい。たれか足の早い若い者、大急ぎで高麗村へ飛脚に行って来ないか」
それから、選ばれた足達者の男が、どこかへ急いで立ちましたが、御府内は元よりこの江戸川附近に、高麗村という地名は絶えて人に聞えておりません。
どこまで行ったのか、使いはなかなか帰らないで、それをまた他の者も合点のように、石神様には発見した最初の男ひとりが悠暢に待ちかまえて、以外の者は平日どおり、みな野良へ戻って、青々とした尺麦の鍬を持っているのであります。
それらの人が午飯につどう頃には、優に半日は暮れていますが、まだ使いは帰って来ない。
それも特に選ばれた足達者が行ったのですから、一体、高麗村の御本家とかまでは何里あるのか? 江戸西方の近郷を指折ってみても、板橋、落合両部、中野郷一円、ずっと離れて多摩川の武蔵境にしたところ