Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
風もなく、障子にさわる桃の花びらが、蛾のような影をサヤサヤと黒く舞わせて、――その時、思いだしたように、
白玉か
何ぞと人のとがめるは
露と答へて消えなまし
物を思へば恋ごろも
それは昔の芥川
芥川
これは桂の川水に
浮名を流すうたかたに
泡ときえゆく
信濃屋の
お半を背なに長右衛門
また、あちらの座敷に陣取っている師匠と蔵前のお旦那が、晩酌のすさびに音じめを直したのでしょう。爪弾きではありますが、手にとるように聞えてくるのは、ここもと、園八節の道行、桂川恋のしがらみか何かであります。
「ああいう世界もあるんだなあ」
金吾はうッとり耳を誘われていました。
そして、いつか軽い湯づかれにとろとろとうたた寝の浅い眠りに落ちたかと思うと、やわらかい丹前を、ふわりと自分に着せかけたものがある。
おぼえのある肌の香い、髪の香い、それに、はっと眼をさましてみると、いつか、朱骨の丸行燈に明るい灯がともッて、向うにある鏡台の鏡の中に、湯上がりの肌を押しぬいで、牡丹刷毛を持ったお粂の顔が華やかに笑っています。
お粂は、いつのまにか湯から上がってきて、そこに寝ころんでいる手枕の人をよそに、あだな夕化粧をこらしていました。