Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
。
めったに、油断はならぬと思いながら、
「拙者に、どこへ来てくれと申すのか!」
「御立腹なすっちゃ困ります。その、ここはあまり人通りがございますから」
「うむ、それで……」
「あの淡島堂の陰で、とっくりお話を伺いたいと思いますンで」
「話があると呼びとめたのは貴様ではないか。拙者の方から聞かす用談などはない」
「どッちにしても同じことです。まア、ちょっとこッちへお出なすっておくんなさい」
袖をつかむ町人の手を切るように、パッと払って退けると、金吾は逆に相手の胸ぐらをつかんで、
「これッ、おのれは!」
と、喉を攻めつける親指と共に、激しい眼ざしで睨みつけます。
金吾に襟元をしめつけられて、町人は喉の血管を太くしながら、
「待ってくれ! けッ、決して怪しい者じゃありません」
悲鳴に似た声で手を振るのを、
「だまれ、おのれは日本左衛門の手先に相違あるまい」
「飛んでもねえことを、な、なにしろ、淡島堂の裏に待っている人に逢ってくれれば、話はわかる。く、くるしい、少し手をゆるめておくんなさい」
「待っている者がある? ……」と、金吾はいよいよ不審に思いながら突っ放してやると、その様子を見ながらニヤニヤして、池の唐橋を渡って来た男があります。