Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate

Aozora Bunko

乗物はまだギッギと飛んでいる。

もみにもまれて、万太郎もヘトヘトになって来た様子です。

どッぷりと厚ぼッたい夜がこめて来て、もう外には微光だも見えず、身は雲の中でも駆けているような目眩をおぼえ出しました。

「おお、駕外の方々」

遂に声をあげて呼びかけましたが、それも耳にははいらない風なので、

「あいや、しばらく」

と、中でガタガタたたき初める。

それも聞こえぬ様子です。

駕は韋駄天――明るいうちよりなお激しく、怒濤に乗せて行くように。

「あっ……これは乱暴な」

身を浮かせた万太郎は、

「駕の者、静かに!」

と、もう一度、怒鳴るが如く叫びました。

返辞はなく、その代りに、渦の中へ巻き込まれるように急にグルグル廻り初める。――そしてまた直線に、どことも知らず駆けだしてゆく。

西へゆくのか、東へ向っているのか、もう方角も分らない。

「これは不都合千万」

気がついたものの万太郎、もうどうにもなりません。

「待てッ。これッ。降ろせ!」

喚けど、たたけど、無駄なことです。

と思うと――にわかに体も乗物も坂になって、ふらふらと高い所へ差し上げられたような心地がして、その途端に、ゲラゲラ、ワハハハ、一斉に嘲笑う声と共に、