Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
裏はすぐに隅田川の満々とした水で、
「よしきた。合図はしてやるが、親方、手配はずいぶん大丈夫だろうね」と、そこから、不安そうに釘勘を振向いて、念を押すのを、
「うむ、済んでいる。大丈夫だから、安心しねえ」と、釘勘がくり返します。
「しかたがなしに、仲間の者を裏切るのだが、もしこれがヘタなことになると、こッちの命があぶねえからの」
「あとはお上でお前の体を守ってやるから、心配しねえがいい。おお、何しろ早く合図をしてくれ」
「へい」
と、おやじは、なかば不承不承に、裏の水ぎわから河岸つづきの竹林をのぞんで、何か、指合図をしております。竹林といっても、それは叢々とした樹林ではなく、丸太林を交ぜた大きな材木屋の青々とした竹蔵です。
その間に、金吾はつれの方へ向って、
「釘勘」と、小声に、
「へい」
「あの今戸焼の老人もやはり盗賊なのか」
「なあに、あれは善人です。ただ幾らかの口止めをもらって、市の時には、ここで見張りをしている奴なので」
「その方の指図にしろ、よくその口止めを破ったものだな」
「可哀そうですが、先にあのおやじの娘をアゲておいて、そいつを責め道具に仲間を裏切りさせたわけ。