Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
「ネ、旦那。……ここは、それ、お間違いじゃござんせんか」
と、書付は店の者の手前、何か、意味ありそうな目まぜをする。
九兵衛がハッとして目をまどわせると、新助は小声になって、
「奥に居る親分へ、内密でこれを」
と、今の書出の下にもう一通、何やら手紙のような物を重ねて、帳場格子の隙間から彼の膝へ渡しました。
「や、左様でございますか。勘定に間違いのない心算でございますが、では、念の為もう一算」
さり気なく装いながら、九兵衛は、下の手紙を袂へ落とし、たばこの品書だけをひろげてパチパチやっておりましたが、
「お客様、勘定はこの通り合ッておりますが」
「へえ……あっ、なるほど、こいつは私の勘違いで、上葉の方でございましたね。いやどうも飛んだ粗相をいって相済みません」
「いえ、どういたしまして、またどうぞ御贔屓に」
「はい、これからなるべく、こちらへ仕込みに参りますから、よろしく」
箱胴乱に仕入物を詰めこむと、それを肩にかけて四ツ目屋の新助、旅商人らしい世辞を投げて、秦野屋の店から姿を消しました。
と――それからまた二、三日経ってのこと。
同じような行商姿のたばこ売り、これまた渋色の巻頭巾をしたのが、店へたばこを仕入れに来て、ちょいと、九兵衛の方へ目まぜをする。