Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate

Aozora Bunko

忘れねえようによく耳へとめておけ」

と言い渡すと、千束の稲吉が、

「親分、おたずねするまでもなく、あっし達が受け持った仕事も、それまでの間に、首尾よくやッてのけなければなりますまいが、万一の場合があって、もし土用の辰までに、目ざす奴を殺すことが出来なかったら、その時は、どうしたもんでございましょう」

「いや、次の土用の寄合は、お互いの首尾や報告、また、先の仕事の手順を諜し合せるつもりだから、それまでに、今夜籖できめた暗殺の仕事を、首尾よくやッて済ました者も、巧く行かずにいる者も、不面目を思わずに、必ず顔出しをしてもらいたい。なお念のために言っておくが、この事は、稲吉のほかの者も、よく胸にたたみ込んでおいてくれ」

「承知いたしました。じゃ親分、土用の辰に、上総の鹿野山で、またお目に懸ることと致します」

「ウム、それまでは、もう寄合うことはねえだろう、お互にこれから先は東西南北、どこへでも気ままに散らかッて行くがいい」

立ちかけましたが、日本左衛門は、ふと傍らの九兵衛を振顧って、

「おお秦野屋、おめえにも嫌応なしに、一役振り当てたが、異存はねえか」

「元よりおれから望んで仲間にはいッたこと、なんで異存があるものか」