Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate

Aozora Bunko

何を叫ばれても、それがみな符牒なので金吾の耳には一向意味が通じないが、抜け買いの方が片づいて、こんどは細かい地の盗品が処理されるのだということだけは、どうやら分りました。

「さ、洞白の面が出るかな?」

と息を殺していると、右の袖をグイと引ッぱる者がある。釘勘だな。……とソッとうなずくと、またあとから来た者とみえて、四、五人の者がぞろぞろと二人の間に立ちはだかる。

呼ぶわけにもゆかないので、そのままにしていると――一番に振られたのが、

「本阿弥の極めつき、堀川国広の脇差、目貫は白魚に蛇籠、うぶご磨上げなし! ……」

と叫ばれた大名物の刀ですが、所詮、ここで見たのでは、小気味が悪くて、金吾の愛刀心もそそられたものではありますまい。

紙入れ、軸、色鍋島の壺、しゅちんの帯、そうかと思うと金泥の仏像や嫁入り衣裳、またかなり値にもならないガラクタ物まで現れましたが、さて、どうしたのか、金吾と釘勘が目をすえて待つ、出目洞白の面箱という声はあがらない。

すると、市も少しダレ気味になり、混濁した空気に各※(二の字点、1-2-22)の頭もだいぶ疲れたころになって、

「珊瑚! 珊瑚!」