Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
「これはひどい。河豚内とは、お口がわるい」
「じゃ河豚内さん、おやじがお城から帰ったら、すぐ奥へ来るようにいっておくれ」
「こいつめ、居候のくせにして」
と用人の伝内が、頭から湯気を立てるのを面白がッて、次郎は拭きこんだ大廊下を、武蔵野を駆けるように、家鳴りをさせてドンドンと戻って来ました。そして、
「おじさん、おやじはまだお城から帰って来ませんッて」
と、突っ立ッたまま復命しました。
「では用人の河豚内は居るか」
と万太郎がいいますと、次郎は今の可笑さを思い出したように笑くぼを作って、
「ええ、用人部屋で、居眠りをしていました」
「そうか。じゃ、河豚内をよんでくれ。おやじが居なければ仕方がない」
心得ましたという風に、次郎はまた表の部屋へ取って返して、そこをのぞくと、河豚は居眠りをさまして、破れ扇子のつぎ張りか何かしている。
「御用人さん、お召しです」
「また来たな。だれが」
「万太郎様が」
「それみろ、わしでも済む御用なのじゃないか」
と用人の伝内、そこは不承不承に立ちましたが、万太郎の次の間まで来ると、陪臣らしい習性でペタと鼻まで畳にすりつけて、
「へへっ、用人の伝内めにござりますが、何か御用でございましょうか」