Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate

Aozora Bunko

「ここは何という町か」

「唐人小路と申します」

「あれは何だ」

「歯磨売りの人寄せかと存じます」

「居合を見せているのじゃな、ウム、面白い、川越の城下にもこんな繁昌な所があるか」

「恐れいります」

「向うに頭へ箱を乗せて何か怒鳴っているものがあるな」

「あれは、すし売りでございましょう」

「なるほど」

と、さかんに話しかけたり指さしをするので、供の者も閉口していると、

「河豚内、河豚内」

と、人前もなく呼び立てる。

「は」

何事かと、駕を止めてひざまずくと、万太郎は真面目くさって、

「腹が減った、あのすし売りを呼べ」

というのであります。

「御冗談を仰せ遊ばして」

「冗談ではない、まったく空腹じゃ。あのすし売りの姿が殊に面白いではないか、これへ呼べこれへ。そして、お前たちも相伴するがいい」

「ここは町の雑鬧、下人たちの目がござります故、ならば御帰邸の上お屋敷にて、お好みのすしを調理いたさせます」

「それではうまくない、すしはこういう場所で立ち食いするに限る、江戸表ではよくそうして試みたものだ」

「いかがいたしたものか、どうも、伝内には取り計らいかねます故、只今、御家老と御相談の上で」